アナログ派?デジタル派?漫画家の作業環境を調査してみた!

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2020.05.04

トキワ荘プロジェクトは、現役マンガ家さんはもちろん、マンガ家を志す方が切磋琢磨する場所です。
せっかくだから、みなさんにいろいろなお話聞いてみたい!

そんなわけで今回は、マンガ家を志す者として最前線を走り続けるトキワ荘プロジェクトのみなさんに『制作に欠かせない作業環境とオススメツール』を聞いてみました。

やはり今はデジタル派も多いのでしょうか? また、どんなツールが人気なのか気になります。

調査結果とともにみてみましょう!

目次
1. マンガ家の作業環境は大きく分けて2つある
2. 漫画家さんの作業環境を独自調査
3. おすすめのソフトや端末を聞いてみた
4. まとめ

1. マンガ家の作業環境は大きく分けて2つある

100人いれば100通りの作業環境があるため、一概には言えませんが、マンガ家さんの作業環境の手段としては大きく分けて2つあります。

まずは、マンガ家さんがどんなツールで制作しているのか紹介します!

1.1 1つめはデジタル

根強い人気があるのは日本製のタブレットである株式会社ワコムからのシリーズ。

近年は安価で手に入る中国やアメリカなど海外製のタブレットも支持率が上がっています。

かの有名なモンキー・パンチ先生もデジタル黎明期から使用されていたそう。

一昨年あたりからはiPadの作品を持ち歩き作業できる利点が注目されている印象です。

1.2 2つめはアナログ

デジタルよりもやっぱりアナログの描き心地やペン画の出来が好き、と根強い人気のあるアナログ。

ペン先やペン軸、インク、原稿用紙まで自分に合ったメーカーや種類をカスタマイズできるのもアナログの魅力です。

そして何より、アナログならではの線の持ち味が好きで、なかなかデジタル移行できないという方も多いはず。

ペンが紙を走る感覚、一度楽しくなってしまうとやめられないそうです。

1.3  組み合わせ型

デジタルとアナログの手法を組み合わせてマンガ制作をどこなう方も多くいます。

プロットや下書きまではアナログで行い、スキャン後ペン入れはデジタルで、という方や、高価なスクリーントーンの出費を抑えるためにトーンだけでもデジタル移行する…など。

 

 様々なツールの登場により漫画の描き方も多岐に渡り、製作の幅が広がっていますが、実際にマンガを描く方はどのような描き方をしているのでしょうか?トキワ荘プロジェクトの皆さんに聞いてみました。


2. 漫画家さんの作業環境を独自調査

2.1 トキワ荘プロジェクトの漫画家はデジタル派が75%!

トキワ荘プロジェクト参加者にアンケートを行なったところ、参加者でデジタル派は75%、アナログ派は0%、そして一部デジタル派が25%という結果になりました。(2020年調査)

トキワ荘プロジェクトで圧倒的に多いのは、デジタル派でした。

参加者同士でデジタル作画方法等を共有していることもあるので、そういった知識を得られる環境がこの結果を後押ししているのかもしれません。

 

トキワ荘プロジェクトではこのような結果がでましたが、世間ではどうなのでしょうか。

約2700フォロワーを保有するトキワ荘プロジェクトのツイッターにて調査しました!

2.2     Twitterアンケート調査ではデジタル派が50%!

トキワ荘プロジェクトのツイッターにて、アンケート機能を利用し調査をしたところ現在漫画を執筆する方の中では、デジタル作画をする方がと(50%)いう結果になりました。

質問項目はこちら!

デジタルツールもデバイスも豊富になってきましたが、あなたはどう作品を描いていますか?

完全デジタル派…50%(833票)

一部デジタル/アナログ派…38%(625票)

完全アナログ派…12%(196票)

計1,654票

周囲の元アナログ作家さんの中には「アナログが好きだけれど費用を抑えるためにデジタルにした」という方や「墨汁が手に擦れるのが嫌でデジタル移行した!」という方もいました。理由はさまざまですね。

ではフルデジタル化が進む中、どんなツールが主戦力となっているのでしょうか。

2.3 デジタル作家の半数以上がCLIP STUDIOを使用している

さらに追加で、漫画を描くときにどんなツール使っているのかも合わせて調査したところ、CLIP STUDIOが79%という結果に。

質問項目はこちら!

[デジタル作家に聞く!]漫画を描くときなにを使いますか?

CLIP STUDIO …79%(111票)

メディバンペイント…11%(15票)

Photoshop…4%(6票)

その他…6%(9票)

計141票

イラスト・マンガ制作ソフトCLIP STUDIOが大人気ですね。

CLIP STUDIO PAINTは全国の量販店の販売数を収集・集計した賞BCN AWARDのグラフィックスソフト部門にて、2015~2017年度、そして2019年度の売上第1位を獲得しています(BCN AWARD: https://www.bcnaward.jp/award/)。作画に適した機能が多々ある他に、特徴的な点のひとつとしてセルシスやユーザー自作ブラシ等を配布する特設サイトがあります。

参考サイト:CLIP STUDIO ASSETS

ここで作画に便利なツールを必要に応じて入手できるのも魅力です。

また、無料でありつつ素材やツールの豊富さが話題のメディバンペイントも人気があるようです。

プロのマンガ家さんでもメディバンペイントで作業をしている方がいらっしゃるほどに内容の充実度は高いです!以前はPhotoshopももっと多くいましたが、だんだんと減っている印象ですね。

その他がどんなツールを使っているのか、ぜひ伺いたいところですね。
以前Procreateで漫画を描いているという方にお会いしたので、もしかしたらiPad等で使えるツールを使っている方もいるかもしれません。


3. おすすめのソフトや端末を聞いてみた

先ほどCLIP STUDIOには自作ブラシ等を配布する特設サイトがあると言いましたが、みなさんにはお気に入りの素材はありますか?

あの膨大な中から自分好みのものを見つけるのも一苦労…。そんな中、以前トキワ荘プロジェクト参加者の方に聞いたおすすめツールや端末を紹介します。

3.1 クリップスタジオブラシツール/完全再現Gペン

──これがなければフルデジタル移行はむりだったかもしれない、アナログ感がすごい

そんなに!?と興味が止まらず気がついたらダウンロードしていました。

結論だけ言うと、60Gですが安定感のあるミリペンとサイズ調整不要で太さ自在のGペン、どちらも心地良いざらつきが出てこんなの使い続ければ実質タダ。

お気に入りのペンがない方、ご興味あればぜひぜひ買ってみてください!

「クリップスタジオブラシツール/完全再現Gペン」はこちら

3.2 Wacom intuos Sベーシック

──コンパクトで好きです。最も安価なペンタブなので壊れたら買い換える消耗品という意識です。

安定の高品質であるワコム製品からのペンタブシリーズ、intuos Sベーシックです。

最近のモデルではAndroid接続も可能に!軽量で持ち運びも楽なのが特徴。携帯と接続すれば外でもささっとネームくらいかけちゃいそう。

消耗品だし手頃で良いものを使い倒す…というのも面白い考え方でした。

手首のスナップで絵を描く人はなおさら気が合うであろうサイズ感、毎日たくさんの絵を描くのに遠慮なくガシガシ使える気楽さも魅力的!

機材の寿命は気まぐれなので、より手に馴染むものをフル活用したいですね。

「Wacom intuos Sベーシック」はこちら


4. まとめ

「紙で描くと手元に原稿が積み重なっていくのがわかって好き」という方も、「デジタルの筆も面白いし、手軽に描けるおかげで絵がもっと好きになった」という方もいて、それぞれ自分のツールに持つ愛情を感じとれました。

手に取れる素材が常に海のように広がっている分、デジタルは使いこなすのも大変ですが、その先に待ち構える素材探しもまた大変ですね。
ですがそこを乗り越えると楽になったという話も多く聞きました。

今回の調査では、それぞれ楽しく描くための工夫が日々行われ、マンガの世界も変化しているなあと感じました。
みなさんのこだわり作業はなんですか?

楽しく効率的に、自分にフィットした環境作りとともに良い原稿ライフを!

 

ライタープロフィール
凛々子

転勤族ゆえ幼い頃から2年に1回引っ越す人生を送ってきた。トキワ荘プロジェクトの学生インターン。

毎回引越し業者さんに「いや書籍の数(笑)」みたいな顔をされるが
それでも捨てられない漫画が段ボール5箱分以上ある。

趣味でちょっとお絵描きする。