春吉ほだかさん

トキワ荘PJ卒業生

『千早くんの星5レビュー』第49回デザート新人まんが大賞 ステップ賞受賞。
『小戸森くんといたい理由』第264回デザート・デビュー・ドリーム ホープ賞受賞。
デザート 2022年6月号掲載『テレ顔王子準備中！』でデビュー。
『モラハラ不倫〜私はやっぱり欠陥品』2022年9月18日より一部を除くほぼ全ての配信サイトにて配信開始。

── 春吉さんがトキワ荘プロジェクトを知ったきっかけを教えてください。

大学卒業を間近に控えた時に、マンガアプリ「マンガMee」に読み切りが1本掲載されました。それでデビューを迎えられたのもあって、卒業後は漫画だけに集中する時間が欲しいと思ったんです。色々調べていたら、「プロの漫画家を目指している人が入居できる」というトキワ荘プロジェクトを見つけて。自分が探していた環境はこれだと思って入居を決めました。

── 実際に入居してからはいかがでしたか？

共通の話題を持った同居人が多くて助かりました。特に当時は自分と同じように少女漫画家志望の人が多くて。上京前、九州にいた頃は漫画について話せる人がほとんどいなかったのもあって、他の人の経験が聞けるのもアドバイスをもらえるのもとてもありがたかったです。

── 具体的にどんなアドバイスがもらえましたか？

当時の編集さんのレスポンスのペースが自分とは合わず、漫画を描き上げるペースも上がらないと悩んでいた時に、旧東久留米荘の同居人から「編集者さんはその人だけじゃないから、別のところに出しても良いんじゃない？」と背中を押してもらいました。トキワ荘プロジェクトに入って色々な人の話を聞けたからこそ、視野が広がって「他に行ってみよう」と思うことができました。

── 同居人の一言が背中を押したんですね。

旧東久留米荘は自分と同じように少女漫画家志望の人が多く、共通の話題が多かったことから、助けになる一言をもらうことが多かったです。実は、今描いている恋愛系のジャンルに挑戦するにあたっても、同居人の一言がきっかけになりました。「春吉さんはしゃべってる内容がおもしろいから、きれいに描くファンタジー系よりも、もう少し素を出せる恋愛系の方が良い」と言ってもらったんです。自分の中では恋愛系の漫画に高い敷居を感じていたのですが、「普段ふざけた時に出るような一言を生かしてみたら？」とアドバイスをもらったおかげで、作品の表現も広がったように思います。

── いざ描き始めてみてからも順調でしたか？

恋愛系を描いてみる前に改めて他の漫画を読み始めてみたのですが、その時に「いいな」と思える作品に出会うことができました。まずはそれを真似して描いてみることで、今に繋がる作風ができたように感じています。

── 講談社の雑誌『デザート』で読み切りも掲載されましたよね。

はい、それもトキワ荘プロジェクトの「出張編集部」がきっかけになりました。少女漫画系の編集部で出張編集部に来てくださったところは限られていて当時は『デザート』だけだったのですが、だからこそ「試しに行ってみよう」という気持ちになれたのかもしれません。このことに限らず、漫画家を目指す中で迷うポイントってすごく多いですよね。そうした中で、アドバイスが聞けたり、選択肢が用意してもらえたりする環境は私にとって大きなプラスでした。

出張編集部とは

「出張編集部」とは、出版社が会場でマンガの持込を直に受け付けるもの。 気軽にプロの編集者のアドバイスが聞ける場となっています。
トキワ荘プロジェクトでは、不定期で出版社を招いた出張編集部を開催しています。

出張編集部の様子はこちら

出張編集部とは

「出張編集部」とは、出版社が会場でマンガの持込を直に受け付けるもの。 気軽にプロの編集者のアドバイスが聞ける場となっています。
トキワ荘プロジェクトでは、不定期で出版社を招いた出張編集部を開催しています。

出張編集部の様子はこちら

── 春吉さんにはテレビにもご出演いただきましたね。何か反響はありましたか？

『マツコ会議』に出演した際は特に反響が大きかったです。地元の話をさせてもらったのもあって、放送後から天草（熊本県天草市）のフォロワーが増えたり、親や友人を通して応援の声が届いたり。そもそもマツコさんと話せる機会なんてそうそうないですし…。当時は締め切りに追われていた時期だったのですが、参加して後悔はないですね。

── その後、無事に漫画も描き上げていらっしゃいましたもんね。

はい、その時にちょうど描いていた漫画でデビューまで決まりました！

── 素晴らしいですね！

── 最後に、これからトキワ荘プロジェクトに参加する人へ向けてメッセージをお願いします！

とにかく「描くこと」が大事、ということを忘れないでほしいです。ここに住んでいるとみんなが漫画を描いているという状態で、その環境って特殊ですし、時には隣の芝生が青く見えることもあると思います。ただ、比べてしまうからこそ、自分の強みを見つけて描き続けてほしい。漫画家って「描いて評価される」というプロセスを繰り返すものですよね、私も描き続けますので、これから入居される人たちにも頑張ってほしいです！

── ありがとうございました！今後もますますのご活躍を応援しています。

2022年9月18日