脚本家による キャラクター講座レポート《後編》
トキワ荘プロジェクト参加者と卒業生を対象に、2021年6月12日・13日の2日間に渡ってキャラクター講座を開催しました。
脚本家の島田悠子さんをお招きし、「キャラクター作り」について勉強しました。トキワ荘プロジェクトに参加する漫画家志望者の多くが、キャラクター作りに関する悩みを抱えていたからです。
(具体的な悩みとしては、「個性的なキャラクターを生み出せない」「『キャラクターを無理に動かしている』と担当さんに指摘された」など。)
感染症対策をきっちり行い、NEWVERY(※)オフィスでの開催です。
会場の様子はオンラインで生配信をし、計30名以上の方が参加しました。
今回は、13日に開催されたキャラクター講座・第2回目の内容について、詳しくご紹介いたします。
12日開催の第1回目について知りたい方は「キャラクター講座レポート《前編》」をご覧ください。
※NEWVERY…トキワ荘プロジェクトの運営団体です。
講座内容をチラ見せ
1.キャラクターを活かしたストーリーの作り方
キャラクターとストーリーなら、どちらを先に決めますか?
島田さんの場合、必ずキャラクターを先に決めてからストーリーを決めているそうです。
「ストーリーはキャラクターありき。キャラクターが動くからこそ、ストーリーが動きます。」
それでは、キャラクターを決めた後に、どうやってストーリーを練ればいいのか。
ストーリーを作る際に意識すべきものは「2つの視点」だと言います。
1つ目は、キャラクターの視点。
キャラクターに感情移入することで、キャラクターの心情を無視したストーリーになることを防げるのだそうです。「キャラクターを無理に動かしている作品」には、この視点が抜けているのかもしれませんね。
2つ目は、神の視点。分かりやすく言うと、物語世界全体を見渡す視点です。
物語全体を俯瞰的に見ることで、ストーリーが迷走し始めても軌道修正できるとのこと。
キャラを自由に動かしすぎて、途中で本筋から脱線……となっては本末転倒ですから、欠かせない視点ですね!
「この2つを意識すれば、キャラクターを活かしたストーリーを進められます。」と、島田さん。
ぜひ、皆さんも意識してみてくださいね。
2.ネームを書く前に「◯行ストーリー」を書こう
週刊少年ジャンプの読切の主なページ数は31ページと55ページ。
今回の受講生の3人に1人が少年誌志望だったため、島田さんはこの数字を挙げました。
そして、「このページ数を無理なく描ききるために、あなたならどうしますか?」と質問。真剣に考える参加者に対して、島田さんがオススメの方法を教えてくださいました。
それはズバリ、「原稿用紙31ページの場合は、ノートに31行分のストーリーを書く」こと。
ノート1行の内容が原稿用紙1ページ分に相当するのだそうです。
これは多くの参加者が初めて知る内容だったのか、資料にマーカーで線を引いたり、メモを取ったりする姿が目立ちました。
下準備せずにネームの下書きをすると、ページが余ったり足りなくなったりしますから、ノートに一度まとめることは大切ですね。
皆さんも、1つの目安として試してみてはいかがでしょうか?
3.キャラクター作りの質問に回答
事前に参加者から寄せられた質問に回答いただきました。
Q.「続きが読みたい」と思わせる読切の特徴は?
A.主に3つあると思います。
- ストーリーの冒頭に「掴み」があること
- 主人公に魅力があること
- 読後感が気持ちいいこと
雑誌連載であれば、同じ雑誌内の他作品と被らないことも大切ですね。
Q.日常パートが苦手なので、アドバイスをください。
A.「私たちのいる日常にキャラクターがいた場合、どうなるのか」を考えると良いでしょう。
日常はストーリーが平坦になりがちなので、平凡な話で終わらないためにキャラを立てることが大切です。
ただ、日常パートは不必要な場合もあるので、本当に必要かどうか自問自答しましょう。
講座参加者の声
・実体験からくるストーリー作りの順序が参考になった。プロのものつくりに対する熱い気持ちを聴けて 自分も頑張ろと思った。(匿名)
・自分の悩んでいたところをピンポイントで解決する方法やアイディアがあって、非常に助かりました!!(星野めぐみさん)
・授業内容ももちろん良かったのですが、質問への回答時間を多めにとっていただけてありがたかったです。 色んな方の抱えている悩みや疑問は自分にも当てはまるものが多かったので参考になりました。 今後の話づくりの役に立てたいと思います。(縹マサキさん)
こんなイベントも!
トキワ荘プロジェクトでは他にも、マンガ家としてのキャリアを考える「マインドセット研修」や、人気作品を数多く担当している編集者による「ヤングマガジンのスズキさんによる勉強会」などのイベントを開催しております。
今後も様々なイベントを開催し、 マンガ家としての成長を促すと共に、トキワ荘プロジェクト参加者同士の交流を図っていきます。
同じ夢を目指す仲間と共にマンガ家を目指したい方は、いつでもご連絡下さい。
トキワ荘プロジェクトの…
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