京まふ漫画賞受賞者レポート
京まふ漫画賞受賞者のANTENNA牛魚さんより、受賞レポートをいただきました。(日本語訳:呉 塵罡・ゴ ジンカン)
京まふ出張編集部も含めたリポートは、こちら。
京まふ漫画賞受賞者リポート
(左:受賞して大興奮! 右:日本の三日間付き添っていただいた通訳兼子守の呉さん)
今回は事務局の招待で日本の京都にやってまいりましたが、三日間の旅はもちろん「京まふ」を中心としたものでした。
日程としては(18日)セレモニー>(19日)開幕式>「京まふ」見学(20日)「京まふ漫画賞」授賞式>出張編集部>「トキワ荘プロジェクト」懇親会…と、昼と夜には日本の出版社と業界人の方たちと同席させていただいて、大変充実した旅でした…!
内容リポート:
「京都国際マンガ・アニメフェア」について
ブースにはマンガのほか宣伝と周辺商品の販売が多く、そこは台湾のイベントとだいぶ印象が違います。
なかには複製原画に動画の宣伝(大好きな『ブラックジャック』の新しいアニメが始まります!)
さらに『金田一少年事件簿』の殺人現場を再現したセットと謎解きのミニゲームなど、参加型の仕掛けもありました。
驚いたことに館内に台湾のブース「台湾アニカップ」がありました。出展者の林さんは「自分は人間のコスプレをしている」と言ってとても印象に残りました(笑)
(台湾アニカップ:https://www.facebook.com/TaiwanAnicup)
さてマンガアニメ関係以外に、京捺染手刷りの家紋など、京都ならではの伝統工芸のブースもありました。
場内を一通りまわると、各ブースからさまざまなコンテンツのチラシと試し読み本をもらえましたし、さらにいくつものマンガ関係の学校のブースや、卒業生の作品と講師の作品展示も盛りだくさん!
授賞式では手塚プロダクションの松谷孝征社長から『ブラックジャック』のグッズをいただいて感激!大事にします!!
(訳:松谷社長から貴重なグッズをいただきましたが、幼い頃に『ブラックジャック』を読んでマンガ好きの道を歩みました…)
「京まふ」会場の隣がかの有名な平安神宮で、鳥居の大きさが圧巻!
ところで「京まふ」の二日目に荷物を無くしてしまいましたが、落し物コーナーで見つかりました!諦めていたので感動的!
「京都国際マンガ・アニメフェア」:http://kyomaf.jp/
「京まふ(MAF)漫画賞」:http://www.kyomaf-manga.jp/
「出張編集部」
先に結論を言いますと、参加できて良かったです!
これだけのために日本まで行く価値があります!台湾の漫画家志望の方にも超オススメです!!!!
今回は「トキワ荘プロジェクト」ディレクターの菊池さん主催の出張編集部に様々なバリエーションの雑誌が集まり、それぞれのコーナーには見本誌が用意されていて参加者にとって大いに参考になっていました。
持込先が決まればさっそく受付で申込用紙を書き込んで順番を待つことに(コミティアなどの出張編集部は異なるシステムで運営される場合もあるのでご注意を!)
(左上:各コーナーに雑誌や作品が展示されていて、各誌の特徴や方向性を示す。 右上:受付で申込用紙を書き込む。
左下:列に並ぶ。 右下:編集者と話し合う。)
私たちは5~6誌の編集部に持ち込みましたが、全ての編集部の評価基準とニーズが違うものの、それぞれのアドバイスはすぐに実行できるほど大変具体的なものでした。お見せする作品は日本語ではないにも関わらず、編集者の方は一つ一つの画面とコマ割りの直し方を、絵を描いてまで丁寧に説明して下さいました。
そして編集者の方々はとても真剣に作品を読んでくださっていて、その真剣さが緊張感になってこちらにまで伝わってきたと同時に、自分の作品がとても大事にされていると実感しました。
(左:すべての編集者の方向性が違う。 右:しかしそれぞれのアドバイスは大変具体的なもの。)
しかも出張編集部には「悩み相談室」まで設けられていて、投稿者の立場に立ってまさしくいたれりつくせりです!とにかく、もしも日本の出張編集部に参加する能力と機会があったら、是非訪ねてほしい!
一度にさまざまな編集者からお話を聞けるこの場は普通考えられません!!
(真ん中:固まった 下:ビッグニュースを聞かされて… 右:どうかしたの?)
今回の出張編集部の情報:https://www.tokiwa-so.net/news/kyoto/3337/
「菊池健さんと「トキワ荘プロジェクト」」について
今回特にお世話になったのは「トキワ荘プロジェクト」のディレクター、菊池健さんです。
来日の数日の間にさまざまなお話を聞かせて下さり、日本におけるマンガ制作活動について目先のものから遠い目のことまで私たちにいろんな方向を示してくれました。菊池さんのアドバイスにはとても感謝していますm(_ _)m(イラストは会話のイメージ)
(左:トキワ荘プロジェクトの菊池さん 右:大変貴重な業界情報をいただいた)
「トキワ荘プロジェクト」について、巴哈姆特でも紹介されていました。(http://gnn.gamer.com.tw/4/81334.html)
入居期間は三年で、その間はマンガデビューのための資源を提供してくれるというシステムです。
そして私たちは最終日に一日だけトキワ荘プロジェクト所属の民家に泊まりましたが、とても快適でした!
(左:トキワ荘プロジェクトの物件で一晩お世話になりました 右:入居者のお二人には大変お世話になって、朝いち早くタクシーを呼んでいただいた)
入居者にとって「トキワ荘プロジェクト」の役割は非常に大きいと感じています。
興味があれば是非そのホームページを見てみてください!
─Tokiwa莊 https://www.tokiwa-so.net/
「呉塵罡さん」について
通訳と書いて、読みは子守><
三日間私たちと一緒に動き回って、途中一緒に山を登ったり…(ゴメンナサイ)
その間は日本と台湾のマンガ業界の情報交換をしていました。
彼は年刊の自費出版雑誌「総合マンガ誌キッチュ」を編集していて、内容にはマンガ+小説+インタビュー特集など(第六号には台湾の霹靂布袋戯を紹介していました!)
単なるマンガ雑誌ではなく、ホームページに雑誌について詳しく書かれています。
執筆者の三割はベテランで七割は若手という構成で、一部若手作者をメジャー誌に排出しています。
(呉さん本人もその雑誌もとても面白い)
呉さんから漫画家で奥さんのムライさんの単行本をいただきました。
私達:画風が可愛いですね!
呉さん:本人はもっとカワイイですよ~
(おしまい)
総合マンガ誌キッチュhttp://studiokitsch.info/
「特別な思い出その1」
18日セレモニーの会場に『風と木の詩』の竹宮恵子先生がいらっしゃると聞いて、すぐに握手を!
(上:伝説だ~ 下:耽美マンガの先駆者竹宮先生と握手できました!)
「特別な思い出その2」
19日夜会食の際、なんと憧れの作品『うしおととら』の担当編集者の武者さんと会いました。
この感動と複雑な気持ちはもはや言葉で表すことができないので、イラストで説明します。
(左上:伝説のオーラをまとう『うしおととら』担当編集の武者さん 右上:『うしおととら』のネームを見せていただいた!目が見えて良かったぁ! 下:武者さんが我々の作品をじっくり読んで頂いているあいだ、心の中はまるで拷問を受けているようでした…)
「京都」について
滞在時間は決して長くはありませんでしたが、日頃京都の良さを熱弁している友人たちの気持ちがよくわかりました。
高すぎる建物はほとんどなく、空が広く眺めていてとても気持ちが良かった。
神社とお寺が多く、四条の商店街にある建物に突き刺さっている鳥居がとても印象に残りました。通訳いわく、店の二階に上ると突き刺さった部分が見られるそうです。
いつかはまた京都に行って、皆さんがオススメするスポットをじっくりまわりたいと思いました。
ちなみに私たちが神社で引いたくじ引きは「大吉」でした。日本の神様は観光客に優しい!
「最後に」
台湾でもそこまでスポットを当てられなかった作品が、まさか異国の地で認められるとは思いませんでした。
この三日間は「まさか!」「信じられない!」という気持ちが付きまとって、とても言葉では説明できない心境でした。
旅の過程でたくさんの方々にお世話になって、貴重な経験とアドバイスまでいただきました。すべての方々に感謝の意を表したい気持ちでいっぱいです。
実際日本に来て、創作におけるさまざまな可能性を知ることになって、この機会をくださった「京まふ漫画賞」の委員会にはとても感謝しています。
ほんとうに、ありがとうございます。
最後のおまけ…
(左:すみません… 右:牛魚はセレモニーで京都水族館のオオサンショウウオからなかなか離れられませんでした)
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以上、牛魚さん素敵なレポートをありがとうございました!