雲母坂 盾さんインタビュー|絶対ここから出てやる!強い思いがあったこそ掴めたデビュー
── 仲間がいるから頑張れた、居心地の良さに救われた、そんな人もいれば、ハングリー精神に火がついて夢に向かって邁進する人もいる。2020年に週刊少年ジャンプで連載デビューを決めた、雲母坂 盾(きららざか・じゅん)さんのトキワ荘プロジェクトでの生活とは。

大学を卒業し、上京するタイミングでトキワ荘プロジェクトに参加しました。
当初は、漫画家を目指す仲間と日夜、ワイワイ話をしながら切磋琢磨する日々をイメージしていましたが、実際は個々で頑張る人が多くて。これは結構ギャップでした(笑)
でも、それはその時の入居者によるのかなと。気の合う人とはたまに煮詰まった時など漫画の話ができるのはよかったですね。
ただそんな中でも、大きな台風が来たときは、さすがに「これはやばい!」ってみんなで窓に段ボールを貼ったのは面白かったですね。一致団結してなんとか事なきを得ました(笑)。
トキワ荘プロジェクトに住みながら、初めてアシスタントとしてお金をもらって漫画を描くという経験をして、社会人としての自覚というか責任感を持つことができました。
一方で、お金がない時は本当につらかったですね。
自分のネームを書きたいからアシスタントの仕事を減らしても、そのネームが採用されるという保証はないし。
あと、ここは、部屋も広くもないし、きれいでもない。そんな状況だからこそ、とにかく「絶対にここから早く出てやる!」という気持ちが原動力になりました。
結果的に目標としていた入居3年でデビューが決まってホッとしています。本心では2年目には決めておきたかったんですけれど・・・。
一つ言えることは、ここからデビューできるかどうかは本人の頑張り次第。
入居したからってうまくいくわけではない。周りに流されず、ボツになってもボツになっても腐らずに、描き続けることが大事だと思います。
連載が決まってから、あれよあれよと状況が変わり、家も転居して、とあわただしい日々ですが、とにかく打ち切りにならないように頑張りたいと思います。
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2020年4月27日
雲母坂 盾さん