漫画家の苦楽が分かち合える環境を支えに、連載獲得から完結へ。
大学を卒業後、一度は就職の道を選んだ栗みやさん。
「最後のつもりで」描いた漫画で賞を獲り、漫画家への再挑戦を決意。
その拠点として選んだトキワ荘プロジェクトでは、連載「死神さんは余命半年」を描き上げました。
同居人との交流も含めて、ここで過ごした日々のことを伺います。
── 栗みやさんがトキワ荘プロジェクトを知ったきっかけを教えてください。
テレビで特集されていたのがきっかけで知りました。
漫画家を志す人たちが一緒にいる環境なら、描くモチベーションを保てると思って入居を希望しました。
── 栗みやさんは入居前、漫画家の道を一度諦めたことがあるとお聞きしましたが…
子どもの頃から漫画家になりたかったのですが、大学卒業までにデビューできなければ諦めると個人的に決めていました。
在学中にアシスタントの経験や漫画賞の受賞はありましたが、デビューに至らなかったので諦めて違う職種に就きました。
── そこから再挑戦には何がきっかけで?
就職先の仕事に慣れてきて少し時間ができたので、最後のつもりで漫画を描いて投稿しました。
その作品で欲しかった賞をいただけたことがきっかけで、漫画家への再挑戦を決めました。
── 入居してみていかがでしたか?
創作活動をする上で、とてもいい環境でした。みんな漫画のことが好きで描いていますから、漫画に詳しくて。
自分がよく知らないジャンルの話もたくさん知れます。自分の知らないことを知れる機会が一日に一回はあった印象です。
原稿で外出していないときも、他の人と喋ることで出かけた気になれるのもよかったです(笑)
── それはすごい刺激になりますね!
── 他に何か良かったことはありましたか?
共同生活が精神的な面でも大きな支えになりました。漫画を描くのはもちろん楽しいですが、ずっとやっているとどうしても苦しくなる瞬間もあるので。
そういうことを全員が経験している空間にいることが、自然と癒しになりました。
── 具体的に印象に残っている出来事はありますか?
ごはんをつくる元気が無いときに、同居人が食べ物を恵んでくれることはたくさんあります(笑)
逆にしんどそうな人がいたときは自分があげる側に回ります。
個人的に「誰かの助けになる」っていう瞬間があるのも貴重で、精神的な安定に繋がってたんじゃないかなと思います。
── 漫画を見せ合うことなどはあったのでしょうか?
見せるのも見せないのも自由という感じでした。読んでほしい時もあれば、そうでない時もあるので。
作品を無理に見せてと言われないのも有難かったです。
── ちょうど良い距離感ができていたのかもしれないですね。
── 栗みやさんは、そんな中で連載も獲得して遂に完結!
ありがとうございます。入居1年弱の時に「comico」で連載が決まりました。
「死神さんは余命半年」という作品だったのですが、実は趣味で描いていたものが編集の人の目に留まった形での連載開始でした。
コミックアプリという基盤があったこともラッキーでしたし、約4年も続けることができたのはとても嬉しかったです。
死神さんは余命半年
死に際の生き物から魂を狩るのが仕事の女性死神・山田。そんな彼女にまさかの余命宣告が…。病名不明、余命半年――でも変わらず回り続ける日々を、仲間や家族と共に過ごしていく山田。胸に刺さるエピソードや言葉がちりばめられた心温まる物語です。
『死神さんは余命半年』は漫画アプリcomicoにてご覧になれます。
*PCの方はコチラ→comico公式サイト内作品ページ
*スマートフォンの方はコチラ→comico公式アプリをダウンロード
iOS版/Android版
死神さんは余命半年
死に際の生き物から魂を狩るのが仕事の女性死神・山田。そんな彼女にまさかの余命宣告が…。病名不明、余命半年――でも変わらず回り続ける日々を、仲間や家族と共に過ごしていく山田。胸に刺さるエピソードや言葉がちりばめられた心温まる物語です。
『死神さんは余命半年』は漫画アプリcomicoにてご覧になれます。
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iOS版/Android版
── コミックアプリの存在は描き手にとっても大きいですよね。
そうですね、ここ数年で時代が変わったことを感じています。
描いたら直接、読者の方に読んでもらえるのが有難いです。私もいろいろなコメントをもらえるのが面白くて、インディーズの投稿を続けられました。
読者の反応をリアルタイムで知れることは、連載をつづける上でも助けになりました。
── 無事、連載が完結した時には同居人にお祝いもしてもらったそうですね!
はい、嬉しかったです。
用意してくれたケーキの上に主人公の形をしたチョコレートが乗っていて。
どこかに頼んで作ってもらったのかとびっくりしたんですが、同居人の手作りだと聞いて更に驚きました。
めちゃくちゃ上手だったんですが…YouTubeで作り方を調べて夜中に練習してくれたらしいです(笑)
自分が経験したお祝いの中で一番嬉しかったです。一生の思い出になりました。
── さて、今後に向けてはどんな展望を描いていますか?
まずはいろいろな作品を観たり読んだりしたいです。そして、できるだけ間を空けずに何か作品を描けたらいいなと思います。
掲載媒体が幅広くある今だからこそ、色々と挑戦していきたいです。
── お話ありがとうございます!今後の活躍も応援しています!
2022年6月30日
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