本気で挑戦するために環境を変えた。担当なしから連作獲得への道のり。

参加者の声

小学館マンガワンで「放課後のグランギニョル」を連載中の天海杏菜さんにデビューまでの道のりを伺いました。

トキワ荘プロジェクト参加当初、担当なしの状態で周囲のプロデビューしている方を見て悔しい気持ちになることもあったそう。周りの入居者を意識する環境が励みになり、天海さんの定期的なマンガの制作・投稿につながりました。その結果、今の担当に出会い、アプリに読み切りが掲載されたのをきっかけに連載獲得へ。

担当なしから連載獲得まで、天海さんのステップアップについて紹介しています。

天海杏菜さん
トキワ荘PJ卒業生(女性)(2018年から2年6ヶ月間在籍)
連載中「放課後のグランギニョル」マンガワン 小学館

── 天海さんがトキワ荘プロジェクトへ参加を決めた理由を教えてください。

トキワ荘プロジェクトを知ったきっかけは、テレビや新聞でした。当時は、そういうのがあるんだなくらいに思っていて。
その後EXILEさんを好きになり、彼らが夢を追っているのを見て、自分の夢は何だろうって考えたんです。
私にとっては「漫画家」だと思い、本気で挑戦するために環境を変えようと思いました。

── そして、トキワ荘プロジェクトにお申込みいただいたのですね。

── 天海さんはプロジェクトに参加した当初は担当編集者がいなかったとか。

はい。トキワ荘プロジェクトでの1年目は、飲食店のアルバイトをしながら、年に4回の四季賞(講談社)に応募していました。
そのほかにも同人誌即売イベントには積極的に参加していました。自分の同人誌を売りながら、毎回出張編集部にも持ち込んでいました。
そこでいただいたアドバイスをもとに新作を仕上げ、また四季賞に出す。
このサイクルを1年ほど続けました。

今の連載作品で担当いただいているのは、出張編集部で出会った方です。その日もいつも通り、イベント会場の出張編集部に行きました。5社ほどに見ていただいたのですが全滅して。
「最後の砦」という思いで持ち込んだのが、マンガワン編集部(小学館)でした。
漫画家を目指し始めるのが遅かったために同世代と比べて技術がないと言われたことが多かったのですが、何を感じてくれたのか、名刺をいただきました。
トキワ荘プロジェクトに入ってから、1年3か月たつ頃でした。

── なかなか結果が出ず、辛い時期だったかと思いますが、続けられた秘訣などはありますか?

一番印象に残っているのは、一緒に住んでいた参加者から「あなたは描き続けているから、絶対にデビューできるよ」と言ってもらったことです。
ただ一方で、当時の入居者はプロデビューしている方ばかりだったので、担当がいない自分の現状と比べては悔しくて、ぐーってなってました…(笑)

── それは悔しい……。

── 担当さんがついてからは、どのように活動していたんですか?

約10か月は2週間に1回、多い時には週に1回のペースでネームを担当さんに見せていました。
ただこのペースで小学館に通っていたので、かなりの交通費になりました……(笑)

── 担当さんから連載の話がでたのは、いつ頃だったんですか?

担当さんにネームを見せ始めてから、ちょうど5か月を過ぎたころですね。
アプリに読み切りが2本載った実績があったからかもしれませんが、何よりその頃から、担当さんとネームを作るのに慣れてきたという実感がありました。

振り返ると、「担当さんに言われたことを修正すること」ができるようになったのが、連載会議へステップアップできた理由なのかなと思ってます。

── トキワ荘プロジェクトのOGのアシスタントをやっていたとお聞きしました。

やってました。
私の住んでいたハウスは、今住んでいる方たちとのグループチャットはもちろん、歴代の卒業生を交えたグループもあって。
そこでお声がけいただきました。アシスタントは週2・3回ほど、飲食店のアルバイトと掛け持ちしてやってましたね。

── そうだったんですね…!

── では今の入居者との思い出で、特に記憶に残っていることはありますか?

合同作業会をやっていました。
入居者を誘って、ファミレスで原稿をやっていましたね。
私は他人がやっているのを見ると燃えるので、作業がはかどりました。

── 楽しそう…。

── 天海さんはGraphium Studios(グラフィウム スタジオ)経由のお仕事もされていましたよね。

そうですね。トキワ荘プロジェクトから案件の募集メールがきて、採用されました。

~~Graphium Studios(グラフィウム・スタジオ)とは~~

Graphium Studiosとは、トキワ荘プロジェクト参加者・OBOGに無料で仕事を紹介するサービスです。
ご自身の絵柄やスキル、過去実績、将来の希望などを踏まえたマッチング度の高い、案件の募集メールを受け取ることができます。

── 天海さんが採用されたのは、『月刊アニメディア』に掲載中の「転職先は16歳のアイドルでした。(仮)」の作画だったと思います。

普段自分のやっている原稿作りとは違うお仕事だったので、楽しかったです。
個人的には、今回の仕事でアニメディアに載れて嬉しかったですね(笑)
案件の募集メールが届く頻度は高くないですが、登録しておいて損はないと思います。

── 楽しんでいただけて何よりです!

── 連載が決まったのは、トキワ荘プロジェクトに参加して3年目でしたよね。

そうです。連載が決まったので、アシスタントと飲食店は、晴れて退職しました。

── 連載を控えた今の心境は…?(インタビュー時は連載開始)

最悪なケースばかり考えてます・・・。
最低限の話数で打ち切りになっちゃうんじゃないかとか・・・次の作品のことを考えちゃったりだとか・・・。

── 厳しい連載会議を通った作品だと思いますので絶対面白いと思ってます…!みなさま、ぜひご一読ください!


── ずばり、トキワ荘プロジェクトに参加して良かったですか・・・?

東京の他の賃貸ではなくて、トキワ荘プロジェクトでよかったことは、やっぱり「燃える環境」でしたね。
漫画家を目指す方や、実際にデビューしている方が身近にいるので、他者を意識しますし、悔しい気持ちにもなります。
でも私にとって、その環境が良かったなと思います。

── とても貴重なお話を、ありがとうございました!!

天海さんが連載している、放課後のグランギニョルは「マンガワン」と「裏サンデー」にて公開しております。

アプリをダウンロードして読む▼
https://manga-one.com/
裏サンデーで今すぐ読む▼
https://urasunday.com/title/1547/138239
※どちらも無料でお読みいただけます

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2020年10月24日

天海杏菜さん
連載中「放課後のグランギニョル」マンガワン 小学館